弁護士 渡邊 佳帆
本相続教室でも何度かご紹介しておりますが(本相続教室でも何度かご紹介しておりますが( 特別縁故者の財産分与申立てとは? 相続人がいない場合の対応策を解説 ))、相続人がいない場合、特別縁故者として相続財産を分けるよう申し立てることができる可能性があります。
しかし、申立てをすれば必ず特別縁故者として認められるわけではありません。では、どのような場合に特別縁故者として認められるのでしょうか。
民法958条の2は、特別縁故者について、「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者」と定めています。
被相続人と生計を同じくするとは、被相続人と家計を同じにして生活していたことをいいます。被相続人と一緒の家で一緒に生活していた場合が典型例です。内縁の配偶者や、事実上の養子、事実上の親代わりだった伯父(叔父)や伯母(叔母)などがあたります。
療養看護に努めるとは、何らかの疾病に罹患した状態にある者に対し、療養・看護の全部あるいは一部を行うことです。被相続人と同居して療養・看護を行う場合はこれにあたりますが、被相続人が完全介護の病院や施設に入所しても、その身元保証人となって頻繁に被相続人のもとを訪れて療養・看護について気を配ったり、通院や外出に付き添ったりした等の事情があれば、療養看護に努めたと評価されることもあります。
例示として挙げられたア・イには該当しないものの、それらと同等に財産を分与してもよいと判断されるような関係が被相続人との間にあった者がいた場合を想定して規定されています。東京家裁昭和60年11月19日審判は、「「その他の特別縁故者」とは、生計同一者、療養看護者に準ずる程度に被相続人との間に具体的かつ現実的な交渉があり、相続財産の全部又は一部をその者に分与することが被相続人の意思に合致するであろうとみられる程度に被相続人と密接な関係があつた者をいうと解すべきである。」としています。
財産分与の申立てがあった場合、裁判所は、申立人に陳述書を提出させ、家庭裁判所調査官による面談等の調査を行って、特別縁故の有無や程度、分与の相当性などを基礎付ける資料を収集します。また、相続財産管理人(被相続人の財産を管理する人。裁判所に選任される)に対して、申立人に財産を分与すべきかの意見書の提出も求めます。それらの資料をもとに、裁判所が、申立人が特別縁故者にあたるかを判断します。
最後に、申立人が特別縁故者にあたるかどうかが判断された裁判例を紹介します。
申立人:被相続人の従兄
考慮された点
・被相続人の幼時からその母ともどもよくその面倒を見て、早くに実父を亡くした被相続人の成育を親身になって助け、被相続人の父親代わりの役目を果してきた
・被相続人の財産の主要部分をなす土地建物の購入についても多大の尽力をした
・独り暮しを続けている被相続人の身を案じて再三同人に縁談を勧めるなどしていた
申立人:被相続人が勤務する株式会社の代表取締役
考慮された点
・被相続人の唯一の財産が、申立人の購入してあげた不動産
・10年以上被相続人の生活の援助を続けてきた
・被相続人と交際のあった唯一の親戚が、不動産が申立人に分与されることに反対していない(ただ、被相続人一家の霊を弔ってもらいたいと希望)
・上記希望に対し、被相続人一家の供養を欠くことはしないつもりであると意思表明
申立人:被相続人の従兄の娘で、幼少期は被相続人と一緒に育った女性(肯定例①の娘)
考慮された点
・申立人本人が結婚した後は、被相続人と交渉が薄くなった
・ときには電話で被相続人の健康状態を尋ねたり、被相続人が入院した際にその見舞いに訪れたりしたに過ぎない
申立人:法律上の妻子がいるが、被相続人と内縁関係にあった男性
考慮された点
・法律上の妻があるため、被相続人とは重婚的内縁関係にあり、法の認めない公序良俗に反する妾関係であって、民法第90条および家事審判法第1条の目的に副わない
(形式的には「被相続人と生計を同じくしていた者」に該当すると言えなくはないと認定された)
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