相続に強い名古屋市の弁護士の遺産分割,遺留分,遺言,相続税の相談｜愛知県

春日井のこの「豊かな地域」に、恵まれた「家」がありました。親は恵まれた層でした。
父親はこの時代、この地域から旧制中学・旧制高校へと進学していました。

ご夫妻には、2人の男の子がいました。長男がすこし問題児でした。
「商売人」にあわない性格なのに「商売をしたがる」のです。
金融機関からの借り入れもあり、父は保証人になっていました。
二男は独身で病弱でした。
 
私はこの長男の商売の自己破産申立を依頼されました。
親から見ると、借入れがどこまでふくらむのかの不安と、息子は商売ができないという確信があったのです。
もう借入ができないようにならないかと。

長男本人は強気でした。
私に事業計画と借入、その返済計画を話して、困難であるが何とかやっていけるという説明をするのでした。
親と異なり不安感がないのです。

「遺産も入るだろうから、これくらいは何とかなるだろう」という計算が心のどこかで自然と働くのは、人である以上はやむを得ないのです。
親は長男の借金返済のため、不動産の売却をせざるをえませんでした。
そして、保証債務履行のための返済資金調達の土地譲渡にかかる所得税・住民税の保証債務履行の控除の特例を利用するためにも、長男の自己破産申立が必要だったのです。


結果としては、長男の自己破産を申し立て、親は不動産を売却して保証している金融機関の借り入れを返済して終わりました。
長男は免責許可決定を受けて、親が保証していない債務全部も消滅しました。
そして、親の意向にしたがって会社勤めをはじめたのです。


次の「相続の問題」も親にとって悩ましい問題です。
遺産を保全して二男の生活費を確保したうえで、長男の子 (孫) に残したいのですが、相続問題に熟練している私から見ても、方法論はいくつかありますが、現実の実効性、確実性と円満な家族関係の維持を考えると、とても至難の問題なのです。
その後夫が亡くなり、遺産分割協議では、長男への保証債務履行分は、特別受益として遺産全部を妻が相続することになりました。
一時的には財産保全の機能が働きました。
そして、将来的な解決には、「少額資産の信託」の制度の整備が望まれるのですが、それだけの能力の向上とコストの低廉化まで、弁護士業界も信託会社も至っていないのが現状です。
当法人の将来の大きな課題の一つと考えております。

春日井市は愛知県西部の尾張地域の北東に位置しています。
東西16km、南北13.5kmの西南から東北に庄内川に沿って北側にやや細長く市域を形成しています。

気候は比較的四季の気候変動が少なく、温暖な地域です。
年間平均降水量は1711mmで、愛知県内では比較的少ない地域に属します。
しかし、東北部山地では降水量が多くなります。
かつて昔は雨量の増加する梅雨・台風の時期に河川の氾濫が繰り返され、土砂が堆積されて、鳥居松、春日井、さらにその南の湿地帯が形成されていったのです。

多くの人々の食生活も、江戸時の「ひえ」・「あわ」の雑穀、「木の実 (どんぐり)」 から明治・大正になると「麦・あわ・ひえ・野菜類の混炊」、そして昭和に入ると「麦飯 (麦7:米3)」が食べられるようになりました。
一般に食事は「麦飯・漬物」が基本でした。麦と米の割合が「半々 (半麦飯) ならごちそういらぬ」と言われていました。

河川の氾濫による土地の堆積により松河戸地区から勝川地区に湿地帯 (沖積地) が形成されていきました。
この湿地帯はその後、「江戸時代の新田開発」「明治・大正以降の農業用水の整備」「農具の改良」により、農業生産力が飛躍的に高まりました。
交易の活発化とあいまって松河戸から勝川地区にかけて「豊かな地域」が形成されていきます。
その結果、「下街道」の勝川・松河戸の商店街も大いに賑わうようになりました。