社会生活をしていれば、ご両親等がお亡くなりになった場合などに相続を経験することがあるでしょう。
このようなとき、相続人が自分一人なら良いのですが、相続人が複数いる場合には「争族」になりがちだとよく言われます。
この争族、どのような原因で起こるのでしょうか。
また、どのようにすれば避けることができるのでしょうか。
今回はこんな相続と争族の問題について考えてみます。
相続が争族になりやすい事例をいくつかご紹介します。
まずは、長男が親と同居していて長男の嫁などが両親を献身的に介護していたようなケースです。
この場合、長男と他の兄弟の相続分は同じですし、長男の嫁には相続権はないので、長男夫婦が相続する分と他の兄弟が相続する分が全く同じということになります。
こうなると長男(とその妻)にとっては不満となり、自分の相続分を増やしたいと考えることが多いでしょう。
しかし、そうなると今度は他の兄弟の方が、「法律上は同じ権利があるのに、なぜお兄さんに譲らないといけなくなるのか」と言い出して、トラブルが始まります。
また、共同相続人の間に被相続人から多くの財産(これを「特別受益」といいます。)をもらっていた相続人がいた場合にも、問題になりがちです。
周りの相続人にしてみれば、その相続人と同じ相続分しかないというのは納得できないでしょう。
しかし、特別受益は周りの相続人が立証する必要があるところ、いついくらのものを譲り受けたか特定することが困難な場合が多いと思われます。
このように、誰しもが陥りやすい争族ですが、これを避けるためにはいったいどのような方法があるのでしょうか。
争族を避けるために最も有効な方法は、被相続人がきちんと遺言を残しておくことです。
遺言があれば、相続方法について争うことは難しいので、通常争族は避けられます。
遺言内容については、最低限遺留分に相当する分は相続させるなど配慮することによって、より問題発生のリスクを避けることができます。
また、遺言の有効性が問題になることを避けるため、遺言は公正証書によって行うことが強く推奨されます。
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