Q.父が死亡し、相続人は私たち3人姉妹です。遺産分割の話をしようと思っていたら、いきなり家庭裁判所から遺産分割調停の呼び出し状が届きました。調停ではどんなことが行われるのでしょうか?不安です。
遺産分割調停では、調停委員会(家事審判官と調停委員)が、公正中立な立場で、相続人の言い分を聞いて、遺産分割について話し合いで円満に解決できるよう斡旋します
遺産分割について相続人の間で話し合いがまとまらなかったり、話し合いすら困難な場合は、家庭裁判所の遺産分割の調停手続が利用できます。本件では、話し合いでは解決困難な状況を打破するために、他の姉妹が遺産分割の調停を申し立てたことが考えられます。
調停手続では、当事者から事情を聴収し、必要な場合は資料等を集めたり、相続財産についてその価値を鑑定します。その上で各相続人の希望を踏まえて、遺産分割についての解決案を示したり、解決のためのアドバイスをし、遺産分割協議が合意にいたるように話し合いが進められます。
相続に関する問題においては、身内だからこその感情のもつれや愛憎がトラブルの原因であることが多いので、調停手続で公平な立場の第三者が介入することは、解決のために望ましいものといえます。
調停手続きには公開裁判の原則ははたらきませんから、非公開の調停室で行われますので、秘密が漏れ、プライバシーが侵害されるようなことはありません。
調停の成立のためには相続人全員が出席していなければなりません。
家庭裁判所の呼び出しを正当な理由なく無視をすると5万円の罰金が課される場合もあります。
遠方に居住しており、裁判所に出頭することが困難な場合は、電話会議システムを利用して話し合いをしたり、調停条項案の書面による受諾という方法で合意にいたることもできます。同封されている回答書に、それらを利用して調停をすすめたい旨を記載することになるでしょう。
調停での解決が困難な場合は、審判手続に移行し、法律に従った判断がされることになります。
期日に出頭して、自分の相続についての意向を伝えましょう。出頭や今後の進め方に不安を感じる場合や、話がこじれそうな場合は信頼できる弁護士に相談したり、調停事件を依頼して弁護士に代理人として出席してもらい調停を進めるのもひとつの手段です。
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