弁護士 杉浦恵一
※こちらの記事は2023年2月16日までの情報を元に作成しています。執筆時点以降の事情変更により記事の内容が正確でなくなる可能性がございます。
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遺産分割の際に、遺産の中に不動産がありますと、遺産分割の方法で揉めることがよくあります。
現金や預金であれば、結局はお金の問題であり、解約等することで金銭化が簡単ですので、相続分で分割することは比較的簡単ですが、不動産の場合には、どのように分けるか、例えば現物で分けるのか、金銭化するのか、といった分け方の問題が出てきます。
一般的に不動産の分け方としては、現物で誰かが相続する(金額によっては他の相続人に代償金を支払う)、相続人で協力して売却してお金で分ける、共有にする、といったことが挙げられます。
このうち不動産を共有にしますと、共有にした後にどのようにその不動産を管理するか、といった問題が出てきます。遺産分割の方法で揉めた場合、一般的な流れとしては、家庭裁判所に調停を申し立て、調停でも話がまとまらなければ、調停は不成立となって審判に移行し、裁判所が遺産分割方法を決定する、ということが通常です。
この際に、裁判所が決める遺産分割方法としては、現物分割(単独所有)、代償分割(特定の相続人が他の相続人に金銭を支払って、代わりに不動産を単独取得)、共有、といった選択肢があるようです。
しかし、共有になった場合には、これを望まない相続人は、共有状態を解消するために共有物分割の裁判を起こさなければなりません。
※遺産分割手続で揉めていることから、話し合いで共有状態を解消できる場合は想定しない前提です。
共有物分割の裁判では、不動産を競売にする許可を判決で受けられる場合があり、競売にすることができれば、裁判終了後、また別途、裁判所に競売の申立てをすることが必要になります。
共有になった場合には、このように共有状態を解消する方法も用意されていますが、かなり手間と時間がかかることになります。
遺産分割審判について定める家事事件手続法では、194条1項で、
そのため、遺産分割審判でも、裁判所が必要があると認める場合には、遺産をいきなり競売にするよう、裁判所が相続人に命じることができます。
194条2項では、
裁判所が競売を命じた場合ですが、194条6項では、
とはいえ、競売を申し立てる場合、一定の予納金が必要ですので、予納金がないという理由で競売ができない場合にどのようになるかも、何とも言えないところがあります。
ちなみに、競売を命じる審判の主文は、不動産を競売に付し、その売却代金から競売手続費用を控除した残額を、相続人に●分の●に分配する、といった内容ですので、いったん不動産を共有にするという主文は出てこない可能性が考えられます(岡山家庭裁判所 昭和55年8月30日審判など)。
不動産があり、遺産分割で揉めた場合には、最終的な方法として競売を求めるという方法もあるようですので、場合によってはこのような方法も選択肢に入ってくるでしょう。
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