2019年12月27日の日本経済新聞の記事で、同新聞社が直近の国政調査を分析した結果として、郊外の宅地開発が止まらないことにより、2015年までの10年間で、大阪府に匹敵する面積の居住地区が生まれたことが分かった、という報道がありました。
調査の方法は、国勢調査に含まれるデータのうち、国土を500メートル四方で区切り、その中の人口を地理情報とともに集計したデータがあることから、その区画の住民が50人以上になった地区を新たな居住地区と定義して、2005年と2015年を比較し、調査分析したとのことです。
このような定義で新たな居住地区が最も増えているのは、茨城県つくば市であり、その原因は2005年のつくばエクスプレスが開通したことで、線路の沿線や駅周辺の田畑が住宅地に開発された結果ではないかと分析されています。
一般論としては、交通の便が良くなれば、人が集まり、住居が開発されることは不自然ではありません。交通事業を行う会社が、自社の土地を開発・販売するために電車の線路を引く等も考えられますので、因果関係はどちらが先か、といった点はありますが、交通の便が良くなることで、田畑が宅地に開発され、住宅地域が広がることは十分考えられます。
これ以外でも、郊外に大規模なショッピングセンターやそれに類する施設ができ、店舗や病院なども集まることで便利になった結果、住宅も一緒に開発される、ということも考えられます。
車で移動することが基本の地域であれば、人は便利な施設の近くに住もうとするのではないかと予想されます。
同社の記事では、人口が減少しているにもかかわらず、住民の居住する地域が広がることで、インフラ(電気、ガス、水道、道路整備等)や行政サービスの費用が増加することに警鐘を鳴らしています。
現在は、市街化地域と市街化調整区域で分け、市街化調整区域内では簡単に開発ができないようにすることで、無秩序な開発を避けるという施策があります。
国土交通省の説明では、「線引き都市計画区域」とされていますが、農家住宅の開発などの例外もあります。
このような居住地域の拡大とは対照的に、現在、限界集落の問題も取りざたされております。
限界集落とは、明確な定義がないようですが、代表的なものとしては、「65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭をはじめ田役、道役などの社会的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落」という定義があるようです。
限界集落は、何らかの対策を取り、継続的に人口が増えなければ、集落としては消滅してしまうことになります。
このようなことは、相続にどのように関わるのでしょうか。
相続では、土地・建物といった不動産が相続財産になることがあります。
不動産は、相続人のうち誰かが住んでいれば、少なくとも利用価値がありますし、都市部にあって売買が簡単にできれば、売却して金銭化するという金銭価値もあります。
もともと賃貸物件として利用していれば、維持することで収益が発生しますので、そういった不動産も価値があるでしょう。
しかし、市街化調整区域内の農地や、かなり郊外にある宅地などで、農家でも住んでもいない場合には、利用価値・交換価値がないと言わざるを得ません。
こういった不動産でも、相続であれば、相続放棄をしない限り、誰かが相続しなければならず、相続すれば管理したり、固定資産税を支払ったりと、何らかの負担が生じることになります。
居住地域が広がれば、それまでは利用価値がないと思われていた土地が、開発できることになって価値が大きく跳ね上がることもあり得ます。
他方で、限界集落中の不動産や、今後、人口が少なくなっていく地域の不動産であれば、いずれ売却することも困難になる可能性も出てくることが予想されます。
空き家になれば、犯罪に使われることもあり得ますので、思わぬところで管理責任を問われる危険性も否定できません。
遺産の中に不動産がある場合には、それを取得するかどうかだけでなく、取得してどのようにするか、といった点からも事前に検討することが必要でしょう。
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