はい、可能です。相続人全員が一堂に集まる必要はなく、郵送、ウェブ会議、電話などを用いた協議でも法的に有効です。
相続人が遠方だったり高齢だったりして集まるのが困難な場合には、オンライン上で話し合い、作成した遺産分割協議書を各相続人に順番に回送し、それぞれが署名・実印を押印することで、有効な協議書を完成させます。
ただし、書類の返送が滞る、紛失するなどのトラブルも起こり得ますので、書留や追跡番号付きで郵送するなどの工夫が必要です。
最終更新日:2026.04.21
遺産分割協議とは、相続人全員で亡くなった方の財産を「誰が・どの財産を・どのように取得するか」決める法的な手続きです。協議を通じて、最終的に遺産の分割方法が確定します。
このページでは、遺産分割協議で失敗しないための手順についてまとめています。相続人全員の合意を取り付け、法的に有効な協議書を作成し、名義変更を完了させるまでの道のりを分かりやすく解説します。もめないための立ち回り方を知りたい方は、まずこの記事をご確認ください。
協議に入る前には、相続人の確認や財産の整理など、いくつかの準備が必要になりますので、事前に「遺産分割」のページで全体像や基本的な知識をご確認ください。
遺言で指定されていたり、相続人の間で「あなたに進めてほしい」と言われたなどで、遺産分割協議の主導役(進行役)を任されるケースは少なくありません。しかし、いざ始めようと思っても、「まず何から手を付ければいいのか」、「親族にどう声をかければいいのか」と、戸惑いを感じてしまうのが普通です。
ここでは、遺産分割協議を任された方が、最終的に「遺産分割協議書」を完成させるための具体的なステップと、トラブルを避けるための注意点を分かりやすく解説します。
※なお、必ずしも主導役である必要はなく、協議に参加する立場の方も全体像の把握に役立ちます。
おおまかなステップは以下のように進みます(各項目の詳細は後述します)。
参加者(相続人)を確定し、連絡を取る
「財産のリスト」を作り、全員に共有する
話し合いを行い、「誰が・何を」もらうか合意を取り付ける
「遺産分割協議書」を作成し、全員の署名・実印をもらう
遺産分割協議は、相続人全員が参加して行う話し合いのため、一部の相続人だけで話し合いを進めても、法的に有効な協議にはならず、再度やり直しを強いられることになります。
そのため、必ず亡くなった方の戸籍から家族関係を辿り、すべての相続人に連絡を取ってください。疎遠である場合には、戸籍の附票等から現住所を取得し、手紙で通知します。
ここでいう相続人とは、法律で定められた以下の順位の方々を指します。
※戸籍調査の結果、予期せぬ相続人(前妻との子や認知した子など)が判明することもあるため、事前の調査が不可欠です。
また、相続人の中に未成年者がいる場合や、認知症などで判断能力に不安がある方がいる場合には、代理人を選任するなどの特別な手続きが必要になることもあります。
全ての財産を証券会社の郵便物や金融機関への照会、不動産の固定資産税納税通知書などから洗い出し、リスト化します。この時、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金や住宅ローンなど)がないかも必ず確認してください。
財産目録の作成は必須ではありませんが、他の相続人に共有しやすい、相続税申請時に手続きがしやすくなるという利点があります。(財産目録のテンプレートは 裁判所公式サイト > からご確認いただけます)
洗い出した財産のすべてを相続人全員でどのように分けるか決定します。相続人全員の同意が取れる形であれば、会議の形式は対面以外でも可能です。もし、介護の負担(寄与分)や生前贈与(特別受益)などで意見が対立した場合は、無理にまとめようとせず専門家の助言を仰いでください。
また、相続人全員の同意によって決定した内容は原則的にやり直すことができません。一部正当な条件で行われていなかったり、相続人全員がやり直しに同意した場合などには、やり直しが認められることがありますが、すでに第三者に売却するなどして財産の移転が行われた後だった場合、その財産は戻ってこない可能性があるのでご注意ください。
合意内容を書面にまとめ、全員の実印をもらいます。遠方などの事情で一堂に会することが困難な場合は、追跡・記録ができる方法(レターパックプラスや簡易書留・一般書留(+配達証明)など)で送付して押印してもらいます。また、印鑑証明書も忘れずに添付してもらいましょう。ここまで進めて、ようやく財産の分割(遺産分割)をすることができます。分け方について、詳しくは 遺産分割の方法 > で解説しておりますので、あわせてご確認ください。
また、遺産分割協議書作成における注意点について詳しくは こちら > でご確認ください。
もし遺産分割協議がまとまらない場合、家庭裁判所で調停を行って解決を試みます。
調停でも解決しない場合は、遺産分割審判に進むことになります。
いずれにしても、法的主張と証拠整理が不可欠となるため、弁護士の関与が事実上必須になるケースが多くあります。詳しくは遺産分割の調停と審判 >をご確認ください。
また、そもそもの前提条件に争いがある場合(親子関係があるかないかや遺言の有効性など)は、訴訟手続きを用いることとなります。こちらも詳しくは遺産分割に関する訴訟 >をご確認ください。
連絡が取れない相続人がいたり、忙しくて集まる時間がないなどの理由で、遺産分割協議をしないままだったという場合もあるかもしれません。
しかし、遺産分割協議をしていないということは、遺産に対する責任を相続人全員が持っているという状態と同義であるため、様々なデメリットを生じさせる可能性があります。
共有状態では全員の同意なしに売却できず、固定資産税のみ負担し続けることになります。
さらに「特定空き家」として自治体から指定されてしまうと、固定資産税の優遇措置が適用されなくなり税負担が増えてしまいます。
2024年の法改正により、相続開始から3年以内の相続登記が義務化され、違反には10万円以下の過料が課される可能性がありますので、特に不動産を含む相続は、放置せず早めに対応することが必要です。
遺産分割協議をしない間に相続人が亡くなった場合には、その人の配偶者や子どもが新たな相続人になります。
実務上、相続人が10名を超えると合意形成は極めて困難になります。そうなってしまうと個人での解決が困難なため、弁護士に相談することとなりますが、複雑な事案は弁護士費用も高くなりがちな点もデメリットとして挙げられます。
遺産を長期的に放置していると、権利そのものを失う可能性があります。
例えば、株式の場合、保有者が5年以上不明な場合には会社が株式買取請求できると規定されています。
預金の場合は、5年以上利用していないだけでも、相続手続きの際に追加の書類提出などが必要になり、払戻しの手続きが煩雑になります。
「配偶者控除」や「小規模宅地の特例」といった相続税の控除制度は、相続開始から10か月(相続税の申告期限)という期限があります。
やむを得ない理由があって期限に間に合わないのであれば、事前に申請をすることで納付期限を延長することができますが、期限を過ぎてしまってからでは控除を受けることができない上に、追徴課税が発生するリスクがあります。
相続放棄や相続税申告など相続に関わる各種期限を考えると、遺産分割は相続開始から10か月以内を一つの目安として進めることが現実的ですが、協議を先送りにするほど選択肢が限られ負担が増すことも多いため、遺産分割協議は放置せず、「協議が進まない」、「協議に不安がある」などの段階で早期に専門家のサポートを受けながら対応することが有効です。
実家を出た後は、実家の近くに住む兄弟が両親の世話をしてくれていました。
しかし両親が相次いで亡くなってしまい、相続について話し合うことになりました。
兄弟は相続の話になると「Aの過去の学費が特別受益にあたるのではないか」、「両親の介護をしていたんだから寄与分が認められるはずだ」と主張してたため、遺産分割協議がなかなか進みません。
しかも、父は認知症であったにも関わらず遺言書があると言っています。
このケースでは、当事務所の弁護士が介入し、兄弟からの無理な要求を適正な配分に整理し、両親の介護をしていた分の謝礼(寄与分)を加味することで、調停に進むことなく解決しました。
上記の事例のように他の相続人と話し合いが出来る状況であっても、それを認めなかったり、対応してくれなかったりすることは少なくありません。
相続人同士の話し合いである遺産分割協議が進まなければ、いつまでたっても相続を進めることができないため、長く続くフラストレーションで相続人の関係がいつの間にか険悪になってしまうことは出来れば避けたい問題です。
はい、可能です。相続人全員が一堂に集まる必要はなく、郵送、ウェブ会議、電話などを用いた協議でも法的に有効です。
相続人が遠方だったり高齢だったりして集まるのが困難な場合には、オンライン上で話し合い、作成した遺産分割協議書を各相続人に順番に回送し、それぞれが署名・実印を押印することで、有効な協議書を完成させます。
ただし、書類の返送が滞る、紛失するなどのトラブルも起こり得ますので、書留や追跡番号付きで郵送するなどの工夫が必要です。
当面の葬儀費用や生活費として一定の範囲内であれば可能です(預貯金の払戻し制度)。 ただし、引き出した金額は後日、自身の相続分から差し引かれる点に注意が必要です。トラブル防止のためにも、領収書やレシートを必ず保管し、事前に他の相続人へ伝えておくことをお勧めします。
また、相続人に借金など負の財産が多く相続放棄を検討している場合は、引き出した時点で単純承認とみなされ相続放棄できなくなる可能性があるので慎重な判断が求められます。
相続人全員の合意がなければ、遺産分割協議は成立しません。話し合いに応じない相続人がいる場合、調停を申し立てることになります。
可能です。
不動産がある場合には、
・代償分割
・換価分割
・共有分割
などの方法が検討されます。
ただし、不動産の評価額や取得方法を巡って揉めやすいため、専門家を交えて慎重に進めることが重要です。
被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献があった場合、寄与分として考慮される可能性があります。
ただし、どの程度認められるかは個別事情によって異なり、相続人間で意見が対立しやすいポイントでもあります。
遺産分割協議では、それぞれの意見が対立し話が平行線になってしまうことも少なくありません。
専門的な知識を持った第三者に入ってもらうことで、落ち着いて全員が納得できる方法で同意を得られやすくなります。
実際に話し合いに代理として介入できるのは士業の中でも弁護士だけです。
もし遺産分割協議で合意に至らず、調停や審判に進んだとしてもそのまま弁護士に依頼することが可能ですので改めて事務所を探して説明して…といった手間と時間を短縮することができます。結果的に費用も節約できることも少なくありません。
また、代理で交渉してもらうことによって精神的ストレスを大幅に軽減することにも繋がります。
仲の良かった親族とトラブルになることは想像以上に精神的に疲れるものです。直接やり取りしなくて済む、専門家に任せているという安心感を得るといった面からも弁護士に依頼するメリットがあると言えるでしょう。
遺産や相続人の調査など遺産分割の根幹となる調査を行った上で遺産分割協議に進めます。
相続人が明らかになっていなかったため遺産分割協議をやり直すといった事態を避けることができます。
相続の問題はその場で解決できればいいわけではなく、先々を考えて地続きで対策が必要です。
例えば父親が亡くなってしまった場合、可能性で言えば次は母親が亡くなる可能性が高くなりますが、母親が亡くなった場合までを想定した上でどうするのか考えなくてはなりません。
相続税や相続登記の問題まで複合的な専門知識が必要ですので、税理士や司法書士と連携が取れた弁護士に依頼するのがよいでしょう。
当法人は弁護士だけではなく、税理士・司法書士・社会保険労務士・不動産鑑定士といった専門家が多数在籍しており、相互で連携を取りながら業務にあたっています。
生前の相続対策から相続後まで多岐にわたる相続の問題・手続きのすべてをワンストップでサポートすることができます。
当法人は愛知県名古屋市に開業してから40年余りの歴史があります。
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当法人では、お客様のプライバシーの保護や情報漏えいの防止を経営上の最重要な課題と考え、相談ルームと執務エリアを分離し、 「個別相談」「完全予約制」「完全個室」の3つを大原則としてプライバシーや個人情報の保護に努めています。
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名古屋総合法律事務所では「初回相談60分無料」でご案内しておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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