令和元年7月から、相続に関するルールが大きく変わったことをご存知でしょうか?
新しい相続法では、夫の死後、妻が安心して暮らせるような方策や、遺言の作成・保管方法などが変更されました。
ここでは、今回改正された相続法について、わかりやすくご説明します。
なぜ相続法は改正されたのか?
今回改正のきっかけとなったのは、平成25年9月4日に最高裁判所で出された違憲判決です。
旧民法900条第4項但書では、以下のように規定されていました。
民法900条第4項
子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は相等しいものとする。ただし、摘出でない子の相続分は、摘出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
最高裁は、民法900条第4項但書の赤字部分が憲法14条第1項の「法の下の平等」に反していると違憲判決を下しました。
自筆証書遺言について、従前はすべてを自分で手書きする必要がありましたが、今回の改正で財産目録については手書きする必要がなくなりました。
また、法務局での遺言書の保管も可能になる予定です。
遺留分を請求する際、従前は現物での返還を求めるのが原則でしたが、今回の改正により、金銭による弁償を求める権利に変わりました。
また、遺留分侵害額の計算方法について明確化されました。
残された配偶者が安心して自宅で暮らし続けることができるよう「配偶者居住権」が創設されました。
また、残された配偶者が自宅の所有権を取得していない段階でも、相続開始から一定期間自宅に住み続けることができるように「配偶者短期居住権」も創設されました。
婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産の遺贈又は贈与がされたときは、「持戻免除の意思表示が推定される」として、原則、遺産の先渡しを受けたものと取り扱う必要がなくなりました。
相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払い、相続債務の弁済などの資金にできるよう、一部について遺産分割前にも払い戻しが受けられるようになります。
相続開始後に遺産の全部または一部が他の相続人によって処分されてしまった場合、処分した人以外の相続人全員の同意のもと、処分された遺産も遺産分割の対象とすることができるようになりました。
遺産分割協議に時間がかかりそうだが、相続税申告をしなければならず費用が足りない…というように、遺産分割前に遺産の一部だけ先に分割してほしいというケースは少なくありません。
今回の改正で、遺産の一部分割について明文化されました。
相続財産のうちの債務については、遺言で法定相続分と異なる承継割合が定められていても、原則として法定相続分に応じて相続人に承継されることが明確化されました。
相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合には、相続人に対して金銭を請求することができるようになります。
遺言等により法定相続分を超える財産を相続した場合、法定相続分を超える権利の承継については、登記等の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができないようになりました。
遺言執行者は遺言の内容を実現するために、必要な一切の行為の権限を有することが明文化されました。
遺言執行者に関する改正について、詳しくはこちらを御覧ください。
また、遺言執行者がある場合に、相続人が、相続財産の処分など、遺言の執行を妨げるべき行為をした場合の効果も同時に規定されました。
遺言執行者がある場合における相続人の行為の効果について、詳しくはこちらを御覧ください。
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