兄弟姉妹以外の相続人に保障された、最低限の相続分のことをいます。
遺留分については、こちら
遺留分減殺請求→遺留分侵害額請求に。
金銭のみの請求に。
従来、遺留分を請求することを「遺留分減殺請求」と言っていましたが、改正法では、「遺留分侵害額請求」という名称に変わり、請求の内容も、金銭の支払いを求める権利になりました。
これまで、遺留分減殺請求を行使すると、当然に物権的効果が生じ、遺留分を侵害する限りで、遺贈または贈与の一部が無効となるとされていました。
その結果、遺贈を受けた人と遺留分減殺請求した人との共有状態となってしまうことが多くありました。
共有関係の不都合
そこで
遺留分の請求は、金銭での請求のみになりました(1046条)。
当事者間でそのような合意をすることはできますが、代物弁済になります。
登記原因を「遺留分減殺」とすることができなくなりますので、「代物弁済」との登記原因になると考えられます。
すぐには金銭を用意できない受遺者または受贈者のために、
「裁判所は、受遺者または受贈者の請求により、金銭債務の全部または一部の支払いにつき相当の期限を許与することができる」
としています(1047条第5項)。
生命保険の活用
生前、預貯金が多くある場合には、預貯金を、受取人を受遺者または受贈者とした生命保険に変えておくことで、被相続人死亡時に取得した生命保険金で遺留分を支払うことができます。
また、現金を生命保険に変えることで、遺留分侵害額請求の対象となる基礎財産を減らすことができます。
具体的な金額を提示して請求した時からだと考えられています。
裁判所が期限を許与した場合には、遅延損害金もその期限到来後から生じることになります。
通常の金銭債権と同様に時効となります。
改正債権法改正施行前に遺留分侵害額請求権を行使→10年の時効
改正債権法施行開始後に遺留分侵害額請求権を行使→5年の時効
改正債権法施行は、2020年(令和2年)4月1日
「相続人に対する生前贈与の価額」について
不相当な対価による有償行為があった場合も、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知ってしたものに限り、当該対価を負担の価額とする負担付贈与とみなす(1045条第2項)。
「遺留分権利者が遺産分割において取得すべき財産の価額」について
遺産分割がすでに終了しているか否かを問わず、具体的相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき財産の価額(1045条第2項第 2号・具体的相続分)。
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