Q.母が死亡し、相続手続きのために母の出生から死亡までの戸籍を取り寄せたところ、前夫との間に子供がいることがわかりました。幼いころに養子に行っており、私からみて姉にあたりますが、姉とは面識がありません。母の名義の土地は、私の実父の先祖代々の土地を相続したものです。
姉とどうやって交渉したらよいですか?土地は私が相続したいです。
姉は母が死亡したことも知りません。
姉はそもそも相続人でしょうか?これについては、特別養子がなされたかどうか(民法817条の2)によって結論が変わります。特別養子であれば、実親との親族関係も終了するため(民法817条の9)、姉は相続人でなくなります。
一方、通常の養子であれば元の母親との親族関係も残るため、姉も相続人となります。特別養子縁組制度は昭和62年の民法改正でできた制度ですので、30歳以上であれば通常の養子であると考えられます。
相続人であった場合、「遺産分割協議」を行う必要があります。協議ですので、話し合いになります。このとき、「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他の一切の事情を考慮して」協議することになります(民法906条)。
いずれの方法をとるかは、相続人同士の話し合いで決まります。今回のケースでは実父の先祖代々の土地を相続したい、ということでした。そこで、①か③の分割方法を取ることが考えられます。
また、①~④の方法を各遺産に応じて組み合わせて使うこともできます。
いずれにしても、交渉にあたっては不動産の適正な評価額を把握する必要があります。市町村役場の固定資産税評価額にするか、相続税上の評価をするか、市場価格であれば、不動産屋、不動産鑑定士に聞いてみましょう。
協議はできないので、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てを行う必要があります。家庭裁判所を間に挟むことで、交渉を進めることができます。
ただし、話し合いができないときには、裁判所が最終的には決めることになります。この場合、ご質問者様の望まれるような 分割にならない可能性も考えられます。
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