相続分の請求方法1

遺留分の算定・遺留分減殺請求権の行使方法

悩む女性

Q.父が亡くなりました。父は、婚姻届を出していない内縁の妻と同居していました。相続人は子である兄と私の2人のみです。
父は死亡の3ヶ月前に、2500万円の銀行預金を解約して兄に贈与しました。
また、内縁の妻に対して時価1億円ほどの土地建物を遺言で遺贈しました。
死亡した時には、他には見るべき財産を残しませんでした。
私は自分の相続分を請求したいのですが、どのようにすればよいのでしょうか?

回答

遺留分減殺請求権を行使することが考えられます。本件では内縁の妻に遺贈された土地について権利を主張することが考えられるでしょう。

その理由・根拠

遺言などによって他人や一部の相続人に過大な財産が与えられたような場合に、相続財産の一定の割合について、兄弟姉妹を除く相続人に最低限度の取り分を確保するために設けられたのが遺留分の制度です。
本件でも、兄と相続人ではない父の内縁の妻に財産がすべて与えられたため、相談者には、遺産が残らなかったというのですから、相談者は遺留分減殺請求権を行使して自己の相続分を確保することが考えられます。

本件の相続人は、被相続人の子ですから、全体の遺留分は基礎財産の2分の1となります。そして個人の遺留分は全体の遺留分に法定相続分をかけたものですので相談者の遺留分は
2分の1×2分の1=4分の1となります。

そして、この割合で金額を算定する前提として、遺留分算定の基礎となる財産の額を計算することになりますが、これは、相続人の死亡時の財産+生前贈与の価額-債務の価額となります。すなわち本問では、父に負債がなかったことを前提としますと、1億+2500万-0=1億2500万円となります。

以上から、相談者の遺留分の額は1億2500万円×4分の1=3125万円となります。

この遺留分を減殺する財産としては、まず遺贈された財産が第一順位となります。これで不足があった場合に、贈与が減殺対象となります。本件では、1億円の価値のある土地建物を減殺の対象とします。

本件土地建物について遺留分減殺請求権が行使されると、本件土地については、内縁の妻と相談者の共有となります。内縁の妻が本件土地建物を保持したいのなら、価格を相談者に弁償することもできます。(民法1041条)

どうすればよいのか?

まずは、内縁の妻と話し合いでの解決を試みるべきでしょう。話し合いに応じてもらえなかったり、話し合いが紛糾したら、遺留分減殺請求権を行使することが考えられます。
これは、必ずしも訴えの方法によることを必要としませんが、配達証明付内容証明郵便を利用して証拠を残すことが大切です。

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