教訓的な失敗事例

ご本人に加え、ご相談されていた税理士さんまでもが陥りがちな失敗事例です。
私どもがご相談を受け、遭遇した事例から抜粋いたしました。
こんな事になる前に、相続問題の専門家である私たちにご相談ください。

失敗事例1 奥様がご自身の財産を確保されていないケース

最も心が痛かった事例です。同じ様なケースが相当数ありました。

夫が亡くなりました。奥様は、大事に育てて来た跡取りの長男に夫の遺産の大半を相続させるため、自分は何も相続せず、また2人の娘にもわずかな不動産を取得させただけでした。

しかし、その後、同居した長男の妻と折り合いが悪く、長男夫婦から家を出るよう要求されました。娘2人は、亡父の遺産分割協議で母から冷遇されたことから、母の老後の面倒をみることを拒否しました。

奥様には、遺族年金しかありませんでした。

失敗点


失敗事例 もともと何も無いならともかく、ご自分の財産を全て長男に渡して、ご自身には何も無い状態にしておいて、娘らに面倒を見てほしいというのは、いかがなのものでしょうか。
この失敗は、奥様が生活の本拠となる住宅、生活の原資・保障となる預金ないし不動産などの遺産の相当部分を確保しなかったことです。

これらの財産を確保したうえで、将来自分の介護をしてくれる人に財産を残す方策をとる。
例えば、介護の程度に応じて生前贈与をする、あるいは介護をしてくれた人に財産を残す遺言をするなどです。

子らに自分の面倒を見るご褒美を用意できる環境などを、準備すべきだと考えます。
介護も愛情あるお仕事の一つですから。

失敗事例2 家督は長男である自分が継ぐつもりだったが・・・

浅野弁護士

父が亡くなりました。書面に書かれた遺言はありませんでしたが、長男が家督を承継して家を守るようにと、法的効果はありませんが口頭での遺言がありました。

長男は税理士と何回も詳細に打ち合せ、よく考え検討して知恵を出し合いました。その結果、節税のため2分の1きっかりまで配偶者控除を使うことにし、母が2分の1きっかり、2人の娘が少しの不動産、残りを長男が取得する遺産分割協議を成立させました。

2分の1ぎりぎりまできっかりにする方法として選択したのが、最も重要な資産であった土地Aは長男が、その土地A上の家屋を母が取得する内容でした。そして、その家屋の母屋に母と独身の娘が居住していました。

また、母が亡くなった時の相続税対策として、母名義にした土地に親子が連帯債務者となる方式で賃貸マンションを建築しました。相続税対策として、母名義の借入れ母名義の建物にするため、賃貸マンションを母名義で所有権保存登記をしました。この方式でマンションを2棟建築しました。

長男は、かねてから亡父と母が自分に家督を継がせるよう姉妹に言っていて、姉妹がそれを了解していたので、いずれ問題なく長男が全部ないし大半を相続できるものと思い、金融機関にあたり自分が相続した土地も共同担保に入れてマンション建築に尽力しました。しかし、母に遺言書を作ってもらう、書いてもらうことまでは出来きていませんでした。

その後、母が亡くなりました。マンション2棟の建築とその借入金が母名義でしたので、相続税の総額は100万円程度と相続税対策は大成功でした。また、マンションの高い入居率などから土地の有効活用としても成功でした。

ところが、長男は、家庭裁判所の遺産分割審判で、法定相続分である3分の1しか取得できなかったうえに、最も主要な資産である土地Aについて、その土地上の建物が存続する限り同居していた娘の居住のために使用借権があるという主張が出され、土地Aの有効活用を拒否されました。

失敗点

  1. 亡父の相続税申告の時、配偶者控除を2分の1目いっぱい使ったこと。
  2. 土地Aと、建物の所有を分離したこと。
  3. マンションと借入れを母名義にしたこと。
  4. 母の遺言がないこと。

両親が亡くなると、法定相続の主張が強く出されます。
「家督は長男が継ぐ」という社会ではないのです。

このような困難な状況で、長男の方からご依頼を受けました。
本件では、建物収去土地明渡請求訴訟を提起して、訴訟の結果、移転補償費を支払う裁判上の和解により解決して、土地Aの有効活用ができるようにしました。

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