依頼者: Aさん
事案の概要:Aさんは、父親が亡くなり、次いで母親も亡くなりました。Aさんには、他に兄弟がおり、父親が亡くなった後、母親が亡くなる前には、Aさん、母親、兄弟の間では、亡くなった父親の所有していた不動産を母親が相続することに合意していましたが、相続の手続をする前に母親が亡くなったことで、このことがうやむやになっていました。
Aさんと兄弟は以前から折り合いが悪かったため、両親が亡くなると相続の話が出来なくなったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんのお話を聞くと、兄弟は、母親から生前贈与を受けていることが分かりました。この場合、父親の相続では母親からの特別受益は考慮されないことが原則であることから、不動産は、いったん父親から母親に相続させ、母親の遺産分割協議をする方が有利だと考えられました。
そこで、相続人間の合意により、いったん死者へ相続させることも可能であったため、兄弟が父親から母親への相続自体は争っていなかったことから、いったんは父親名義の不動産を母親が相続したことを確認し、この点だけ事実関係を確定させました。
例えば両親が相次いで亡くなった場合には、どのような順番で相続をするか問題になることがあります。父親が不動産を有していた場合、配偶者と子が第一順位の相続権を有します。そのため、配偶者が死亡している場合には、いったん配偶者が相続したことにして、次に子が相続したという方法もありますし、最初から子が相続したことにすることも可能です。
ただし、亡くなった配偶者が相続したことにすると、次には、亡くなった配偶者から誰が相続したかを協議する必要がありますので、それだけでは完全には解決しません。
1年
名古屋総合リーガルグループは、「65歳からの生前相続対策セミナー」2019年4月18日、名古屋市公会堂にて実施いたしました。
今回のセミナーでは、弁護士の後藤が相続法の改正について解説し、次に税理士の宮城が節税対策について講義し、さらに司法書士の蟹江が遺言書の書き方と家族信託の活用についてお伝えしました。
まずはじめに、弁護士の後藤より、今回約40年ぶりに改正された相続法について、特に生前の相続対策に関わる部分についてポイントをご説明させていただきました。
次に税理士の宮城が相続税の節税対策について解説しました。
相続税の基本的な計算方法から、簡単に始められる節税策について解説致しました。
最後に遺言書の書き方と家族信託の活用について、司法書士の蟹江よりご説明いたしました。
一般的に使用される遺言書の作成例についてポイントを解説し、また最近生前対策で話題になってきている家族信託について講義いたしました。
今回のセミナーでは、50名を超えるお客様にご参加いただき、大変盛況でした。
また、皆様大変熱心に聞いておられ、相続対策に対する関心度の高さを再認識いたしました。
今後も時流にあった相続対策セミナーを実施していこうと考えております。
相続に少しでも不安や興味がある方は、ぜひご参加いただければ幸いです。
Aさんは、父親と不動産を共有にしていました。
父親が亡くなったため、相続手続のために不動産の登記を確認すると、知らないうちに父親に不動産の持ち分を売却したことになっていました。
Aさんは心当たりがなかったため、もう1人の相続人である母親に対して、登記を戻してほしいと依頼しましたが、母親と折り合いが悪かったため、合意に至りませんでした。
そこでAさんは、不動産を何とかするため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんのお話をお聞きし、話し合いでの解決が困難だと思われたため、相続人である母親に対して、Aさんから父親への所有権移転登記手続を抹消するように求める裁判を起こしました。
裁判の中では、Aさんが見たことのない売買契約書が出てきたり、Aさんが使っていなかった口座に売買代金が入金され、何者かによって引き出されていたという事実が明らかになるなど、想定していなかった事情が出てきましたが、1つ1つに反証していき、最終的には売買は認め、代金を支払ってもらうことで和解になりました。
相続は、権利(財産)だけでなく、義務(負債)も相続することになります。
被相続人の生前に義務が発生している場合には、相続人がその義務を承継します。
今回の事例では、売買契約がなければ、登記を抹消する義務がありますので、被相続人(=買主)が死亡すれば、抹消する義務は相続人が引き継ぐことになります。
また、債権を差し押さえても、金融機関といったきちんと手続に従う第三者以外は、差し押さえ手続に従わず、差し押さえがなされても支払わないといった場合があります。
このような場合に、裁判所で決着をつけようとすれば、原則として、他の相続人全員を被告にすることが必要になります。
1年6ヶ月
民法改正前の事例です。
相談者:Aさん
相手方:Aさんの父、兄弟
被相続人である母親が、兄弟に全ての相続財産を相続させる遺言を作成していたようであり、死後間もなくして、遺言執行者である司法書士から、遺言執行の通知が送られてきました。
内容は、遺言執行が完了したというものであり、相続財産目録も財産の名目が記載されているのみで、金額や評価額も不明な状態でした。
少なくとも1,000万円以上の預金があったことは把握していましたので、遺留分侵害額も相当な金額になっていました。
そこで、調査を含め、遺留分減殺請求をご依頼されました。
まず、遺言執行者に財産内容の詳細を開示するよう求めました。
遺言執行者は、必ずしも名目以上に評価額等を表示する義務はないとされていますが、委任者に対する説明義務を根拠に報告を求めました。
遺言執行者にはこれに応じて開示してもらい、財産調査は大きく進みました。
名義の預金から1,000万円以上が使途不明となっていることがわかり、それがどのような性質の支出であるか等、金額の調整に入りました。
相手方代理人からは、母だけでなく、存命中の父の相続についても、紛争予防を提案してきました。
この時点で、父は相手方に全て相続させる遺言を作成し、孫を養子縁組するなどして、可能な限りこちら側に財産が相続されないように対策していました。
結局、相続財産の増加が見込まれないことなどから、母の遺留分に加え、父の分も生前に精算し、代償金の支払いを条件に当方が遺留分放棄の手続をとるということで協議がまとまりました。
父親の財産の主要部分は、自ら営んでいる事業財産でした。
その事業が将来堅調に成長していくか等を含め、事業の評価を行い、その価値を算出することになりました。
最終的にはこの点が焦点となりましたが、別の項目で双方譲歩する形で調整を行い、深刻な争いを回避して協議をまとめることができました。
代償金を受け取り、遺言作成と遺留分放棄の手続をとることで、将来の相続についても紛争についても解決することができた点が特徴的でした。
存命中の父親が相手方サイドにいたため、こうした解決は相手方の協力を得て初めて実現するものです。
この点は双方が紛争回避に理解を示し、円満な解決に至ることができました。
11か月
依頼者: Aさん
Aさんは、兄、弟のいる3人兄弟でした。父の相続の際に、相続に伴う様々な金銭の精算をすることになっていました。
そのため、遺産分割の際に、弟がAさんに一定額の代償金を支払い、兄が弟に対して一定額の代償金を支払う、という内容で遺産分割をしました。
しかし、期限が到来しても弟はAさんに代償金を支払わず、Aさんが問い合わせてもお金がないというばかりでした。
そこでAさんは、この問題をどうしたらいいかと、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
お話をお聞きし、実際に弟には財産がなさそうな状況でしたが、弟は兄に対する代償金の請求権がありました。
そのため、これを差し押さえ、兄に代わりに支払ってもらうという方針を立て、実際に兄に対して差し押さえの手続をとりました。
しかし、兄が差し押さえを無視したことから、兄に対して債権の取立訴訟を提起し、最終的には差し押さえた金額に近い金額を支払ってもらいました。
債権があっても、財産がなければ回収することが非常に困難です。
実際に、裁判で勝っても債権回収を断念することはあります。
今回の事例は、兄弟であったため、全くの他人とは違ってある程度の財産状況が分かっていたことから、回収できそうな財産を見つけることができました。
また、債権を差し押さえても、金融機関といったきちんと手続に従う第三者以外は、差し押さえ手続に従わず、差し押さえがなされても支払わないといった場合があります。
その場合には、取立訴訟を起こすことが一般的な流れでしょう。
2年
弁護士 杉浦 恵一
遺言といっても、民法では色々と定められています。
民法960条には、「遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。」とされています。そのため、民法に定めた方式に従わなければ、せっかく遺言書を作っても、効力がないとされる可能性があります。
ちなみに、「遺書」という言葉もあります。「遺書」を辞書で調べますと、死後のために書き残す書面のことを指すとされていることが多いようです。
遺言書と同じ意味だとする説明もあるようですが、民法では「遺書」という言葉を使っていません。
民法では、大まかに分けますと、「自筆証書遺言」(民法968条)、「公正証書遺言」(民法969条)、「秘密証書遺言」(970条)といったものがあります。このうち、自筆証書遺言と公正証書遺言が多くを占めると思われます。
今回は、自筆証書遺言が自筆であることをどのように証明するのか考えたいと思います。
民法968条では、その1項で「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」と決められています。
法律が改正され、相続財産の目録は自書する必要がないとされています(2項)。そのため、遺産目録は、パソコンなどで作成し、プリントして、自筆の遺言書に添付することができます。
この条文を見ますと、自筆証書遺言の方式として定められた内容は、
①全文を自書する、②日付、氏名を記載する、③押印する、の3点は少なくとも必要だということが分かります。
しかし、このような形式面ではなく、その自筆証書遺言が、果たしてその本人によって作成されたのか、偽造されたのではないか、という点が問題になることもあります。
筆跡は、人によって違いますが、明確な違いがあるとも言えず、真似することもできます。また、筆跡は、年齢によって変わってくることもありますし、急いでいれば筆跡が乱れることもあります。
最近では、パソコン・プリンター・電子メールが普及していますので、そもそも文字を書かない人も多くいることから、筆跡を比較対照して、確認する材料がないこともあります。
裁判所は、基本的な考えとして、不自然な点がなければ、自筆証書遺言に記載された氏名の人が自書したと推定していると思われます。
そのような中、平成29年3月22日、東京高等裁判所で、自筆証書遺言の無効が確認された判決が出されました。
この事案では、被相続人の動画が証拠として出されていたのですが、肝心の遺言書を書いているところの動画はなく、自署を前提とする遺言の確認状況が記録されていたようです。
裁判所は、後日の証拠となることが意識されて新聞が何度も映し出されているのに、被相続人が自書・押印する動作が全く撮影されておらず、添え手を含む何らかの補助を受けて書かれた可能性が否定できないこと等の理由から、被相続人が自書、押印したとは認めず、その遺言書を無効としました。
この事例では、映像がなければどうなっていたか分かりませんが、本人が遺言書を作成したことを証明することは、簡単ではありません。
実印を押して、印鑑登録証明書を添付したり、書いているところを映像で残したり、色々と考えられます。
確実な方法としては、公正証書遺言であれば公証人が本人確認しますので、通常は遺言者が被相続人ではないとは言われませんが、本人確認の方法にもよりますので、難しいところです。
このように、自筆証書遺言を作成する際には、遺言者が自分で書いていることをどのように証明するかも意識するに越したことはないでしょう。
Aさんは、母が亡くなったところで、弟から遺言書があることを開示されました。
その内容は、弟の方に有利になっている内容でしたが、それだけでは遺留分が発生するかどうか不明でした。また、相続税の申告をする中で、弟が多額の生前贈与を受けていることもわかりました。
そこで、Aさんは、遺留分が出るかどうか知るため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんは、相続税の申告をしていましたので、遺産の範囲と生前贈与に関しては明確になっていました。それを基に遺留分を計算したところ、遺留分が発生する見込みが高かったため、弟に対して遺留分減殺の通知と遺留分に相当する部分を金銭で支払ってほしいという通知をしました。
しかし、弟からはさほど連絡がなく、協議ではかなりの時間がかかりそうでしたので、速やかに遺留分の調停を申し立て、裁判所を介した協議に入りました。
その結果、不動産の評価額には争いがありましたが、最終的には遺留分を金銭で支払ってもらう調停が成立しました。
相続の紛争では、遺産や生前贈与の範囲、内容が明確になるかが一つの問題です。相続税の申告をしている場合には、遺産の範囲は明確になっていることが多く、そのような場合には相続税申告の際に分かっている遺産を前提にして、協議を進められる場合があります。
生前贈与は、相続税の申告では一定の期間しか申告する必要がないようですので、かなり昔の生前贈与の有無が問題になると、紛争が複雑化する可能性もあります。
なお本事例とは別の話にはなりますが、2019.7.1の民法改正後の相続では、遺留分減殺請求は遺留分侵害額請求となり、金銭請求となります。この遺留分侵害額の対象となる生前贈与は、相続開始前10年間に行われたものに限定されます。ただ、遺留分の圧縮を目的として10年以上前から相続人への贈与が行われていたという事実が認められた場合、10年以上にさかのぼり遺留分の請求が可能になります。
2年
依頼者:Aさん
Aさんの父が亡くなり、遺産分割の話になりました。Aさんの父は、会社を経営していましたが、Aさんがその会社の役員になっているだけで、他の相続人はその会社には特に関わっていませんでした。
また、他の相続人から、父がAさんに対して多額の学費を出している、それが特別受益だという主張がなされ、遺産分割の話し合いがつく目途が立っていませんでした。
Aさんは、自分で遺産分割調停を申し立てましたが、なかなか進まないので、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんのお話をお聞きし、それまでの遺産分割調停の資料も確認し、特別受益の争いと、会社の株式を誰が相続するかの問題が大きく、話し合いでの決着は難しいと思われました。
そこで、Aさんの代理をして、遺産分割調停から審判に移行し、特別受益が認められないことや、会社の株式はAさんが取得すべきこと、株式を取得した場合に支払える代償金額などを主張し、
最終的には、特別受益の額は主張された額よりも大幅に少なくなり、代償金と引き換えにAさんが会社株式の過半数を取得するという審判が出されました。
3年
依頼者 Wさん
相続人 Wさんを含む兄弟5名
お父様がお亡くなりになった相続人Wさんから相続手続きの依頼を受けました。相続人はWさん含めた兄弟5名で、Wさんはお父様と同居して身の回りのお世話をしていました。お父様は生前、自筆証書遺言書を作成しており、遺言書には、遺産の全てをWさんに相続する、遺言執行者はWさんとする、という事が書かれておりました。
この遺言書をもって、お父様が生前取引していたX銀行に、Wさんが執行者として預金の解約をすることになりました。X銀行において解約手続きを請求した際に、お父様が貸金庫を契約していたことが判明しました。
遺言書には遺言執行者選任についての文言はあったものの、執行者による貸金庫の開扉等について記載はありませんでしたので、X銀行は預金の解約手続きには応じるが、遺言書に貸金庫の開扉等について記載がない以上、Wさんのみでの貸金庫開扉はできないとのことでした。
公証人の立会による貸金庫の開扉も検討しましたが、今回はWさん以外の相続人4名とは関係が良好であったことから、相続人全員から開扉の同意書を取得した上で、貸金庫を開扉、内容物を取得、解約の手続きをしました。
なぜX銀行は開扉を拒んだのでしょうか。
そもそも貸金庫を開ける事ができるのは、原則は契約者のみです。貸金庫の契約者がなくなった場合は、遺産分割協議が確定するまでは相続人全員で準共有している状態になります。仮に準共有にも関わらず、相続人の一人が貸金庫を開ける事ができてしまうと、共有物である中身を独り占めする事が可能となってしまいます。そうなると開扉させた金融機関に対して他の相続人は善管注意義務違反を追及することになるでしょう。金融機関としてはそのようなことがないように貸金庫の開扉を一時停止し、開扉には貸金庫を共有している相続人全員の同意を求めるようになるのです。
ただ、全員の同意がもらえればよいですが、相続人の仲が悪く遺産分割協議がまとまらないときは、貸金庫を開けることは非常に困難になってしまいます。よって、金融機関により対応は異なるとは思われますが、遺言執行者といえども、遺言書に貸金庫の開扉等について権限がある旨の記載がなければ、遺言執行者単独での開扉はできず、開扉についての相続人全員の同意を求めてくると考えられます(金融機関によっては公証人立会いの元、事実実験公正証書の作成を条件に開扉をできることもあります。)。
そこで、遺言書を作成する際には貸金庫の開扉、内容物の取得、契約の解約をする権限を遺言執行者に与える旨の記載をするようにお勧めします。また貸金庫の注意点としては、遺言書を貸金庫に保管しておかないようにすることです。確かに遺言書の紛失は防止できますが、相続人が遺言の存在に相続人が気がつかない、又は気づいていても開扉できない事があり得るからです。
貸金庫は有益なものですが、注意して利用する必要があります。
人が亡くなり、亡くなった方に財産があれば、原則として遺産分割をする必要があります。
遺産分割は、遺言書がなければ、まずは相続人による話し合いで解決できないか試みることが多いと思われます。遺産分割は、誰が何を取得するか決める手続きですので、相続人の間で誰が何をもらうか決めることができれば解決します。
遺産分割の合意は、一種の約束、契約のようなものですので、一度合意すると、相続人の一人が勝手に取り消したり、覆したりすることはできないのが原則です。
遺産分割の合意ができなければ、話し合いで解決することができなくなります。話し合いで解決できないような場合に、誰が何を取得するか決められないとすると、遺産の取得者が決まらず、財産を活用することができず、社会的な不利益が出て来ることになります。
住んでいる自宅であれば、遺産分割ができず、亡くなった方の名義のままになっていても、住んでいる方にとっては不利益はありません。
しかし、預貯金や有価証券は、亡くなった方の名義のままになりますと、引き出したり、売ったりとできなくなり、不利益が大きいでしょう。
では、遺産分割の合意ができない場合に、どのような手続きがあるのでしょうか。このような場合には、まずは家庭裁判所に対して、遺産分割調停の申立てをします。
調停を管轄する裁判所は、申し立てられる側の方の住所を管轄する裁判所です。申立てられる側の方が複数人いれば、そのうちどこにするかは任意です。
遺産分割調停は、あくまで家庭裁判所で話し合いの機会をもつという手続きです。そのため、この段階では、話がついて相続人全員で合意できなければ、調停では何も決めることができず、遺産の名義を変えることもできない、ということになります。
遺産分割調停で話がつかない場合には、調停が不成立になり、そのまま自動的に遺産分割審判という手続きに移行することになります。
遺産分割審判は、簡易な裁判のような手続きで、最終的には裁判官が遺産の分け方を決めることになります。
民法906条では、「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」と定められています。
遺産分割審判で遺産の分け方が決められる場合も、この条文に基づいて判断されますが、判断の要素が複数あり、相続人の状況までも含まれていますので、裁判官にかなりの裁量があると考えられます。
遺産分割審判の内容は、法定相続分、寄与分、特別受益の規定に従う必要はあるのですが、それを踏まえて計算された具体的な相続分の範囲内であれば、裁判官はかなりの裁量をもって、誰にどのような財産を取得させるか決めることが可能だと考えられます。
例を挙げますと、相続人のうちAとBの2人が、いずれも自宅を取得したいと争っている場合、AとBの相続分の範囲内であれば、裁判官がAとBのどちらに不動産を取得させるか、もしくは2分の1ずつにしたり、割合を2分の1から変えて共有にしたり、いずれも裁量の範囲内だと考えられます。
遺産分割調停と遺産分割審判には、このような違いがあります。審判だとどうなるか分かりませんので、可能な限りは話し合いで結論を出した方が無難だと思われますが、誰が何を取得するかどうしても決まらない場合には、最終的には審判で結論が出されることになります。
より良いサービスのご提供のため、相続の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
【取り扱いエリア】
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,
豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),
一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,羽島郡(岐南町
笠松町),本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町
池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町
川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)
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